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  • 正しく知る独島(高校生用)

1.独島の未来

学習目標
独島が持つ価値について理解できる。
今後、独島を守っていくための私たちの態度について討議することができる。
 
思考を開く
独島は火山島で、自然景観を誇るだけでなく、生態系の側面からも希少種の動植物や海底資源を有している。ガスハイドレートや海洋深層水、水産物などの資源開発と自然保存とを、どのように両立させたら良いだろうか?
 

独島の海底資源

ガスハイドレートの燃焼場面
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独島周辺の海洋深層水
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独島の未来資源にガスハイドレート(Gas Hydrate)がある。ガスハイドレートとは、メタンを主成分とする天然ガスが氷に囲まれて固形化したもので、深度300m以深の深海底で主に発見される。このガスハイドレートは、またの名をメタン水和物、メタンハイドレート、燃える氷、固体天然ガスとも呼ばれる。
ガスハイドレートは他の燃料より公害が少なく、これが存在する場所には石油が埋蔵されている可能性が高いという点から、次世代エネルギー資源として関心が高まっている。
2005年6月、鬱陵島の南約100kmの地点に、約6億トンのガスハイドレートが埋蔵されているという研究結果が発表された。これは、国内のガス消費量30年分の量であり、年間にすると約10兆ウォン相当の価値があると推算されている。しかし、深い海底で造成される物質であるため採取が困難であり、経済的効果を得るまでには今後も多くの時間がかかるものと予想されている。
独島にはガスハイドレート以外にも、重要な鉱物資源が埋蔵されている可能性がある。燐酸塩岩は東海周辺の海底に2億トン以上埋蔵されていると推定されている。燐酸塩鉱物は天然肥料の原料となる物質で、韓国は年間約150万トンを輸入に依存しているのが実情である。このように、独島の周辺に鉱物資源が埋蔵されている可能性が高まるにつれ、ガスハイドレートやその他の次世代エネルギーの発見が期待されている。
また、韓国の東海は90%以上が海洋深層水であるため、その価値もまた高い。海洋深層水とは、深度200m以深の深海に分布する海水で、日光が届かないため温度が一定しており、無菌状態の清浄な水でマグネシウムやカリウムなどのミネラルが豊富である。最近では、水産物、食品、飲料水、塩、化粧品、医薬など様々な分野で海洋深層水が活用されている。

独島の価値

独島はそれ自体が軍事安保的な価値、経済的価値、生態環境的な価値を有し、韓国の国民にとっては主権の象徴として守護の意志と愛国心を高揚させる海洋領土としての価値を持っている。
独島探訪出典 : 東北亜歴史財団
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独島の船着場を出発する旅客船
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独島周辺の春・夏の漁場図出典 : 国土地理情報院
イカ釣り
大型旋網
カタクチイワシ漁
近海あんこう網
機船底引き網(東海)
機船底引き網(西海)
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· 軍事安保的価値と主権
軍事的拠点としての独島の重要性は、1904~1905年の日露戦争で立証されている。しかし、在来式の武器ではなく電子技術と情報が重要視される現代においては、東海の防衛拠点としての役割よりも、韓・ロ・日の地政学的関係において朝鮮半島の領海と領空の外延を広げることにその意味がある。
独島は何よりも主権の観点から、韓国人に与える意味が大きい。植民地支配の苦い歴史を持つ韓国人であるがゆえ、領土と主権の重要性については誰よりもよく知っている。日本の植民地支配の最初の犠牲地となった独島は、大韓民国の独立と主権の象徴として、いかなる価値よりも優先される。独島に対する国民の特別な愛惜の念は、国土守護のために一致団結する原動力となりうるという点から、軍事安保的な価値、それ以上の意味を持っていると言える。
· 経済的な価値
独島は鬱陵島の水産業および観光業などと連携し、探訪地域としての経済的価値も高い。仮に一人当たりの独島探訪費用を約40万ウォンと仮定した場合、年間約13万人が訪れるため、約520億ウォンの価値が生産されるということになる。
独島の水産業的な価値を見ると、独島は北朝鮮の沿岸に沿って南に流れる北鮮寒流と、朝鮮半島の南東の海岸に沿って北上する東韓暖流が交差する地点にあたるため、魚類のえさとなるプランクトンが豊富である。したがって、夏から秋にかけては暖流性(回遊性)の魚類、冬期には10℃以下の水温に生息する寒流性の魚類が豊富で、冬から春にかけてはスケソウダラ漁場、夏から秋にかけてはイカ漁場が形成される。しかし、最近は地球温暖化の影響を受けて、徐々に亜熱帯性の海域へと変化しており、ソラスズメダイ、アイゴ、アマダイなどの亜熱帯性の魚類が増えた反面、ナマコ、オニサザエ、アワビなどはその数が減っている。
独島の水産物のうち、主要な収入源となるのはイカ、マス、タラ、サケ、サンマ、サメ、ワカメ、サザエ、アワビ、ナマコなどである。鬱陵郡の水産統計を見ると、2009年に船舶約250隻が出漁し、109億8400万ウォンの売上高を記録したが、このうち独島の周辺で行われた漁による漁獲高は約1億ウォンに達する。
· 生態環境的な価値
独島は位置的な特性により、海洋気候予報、漁場予報、地球環境などを研究するのに恰好の環境であり、海洋科学基地としての役割を担当するのにも遜色がない。また、船舶の緊急待避や停泊地、事故の際の救助基地、航空機の誘導基地としても活用できる。また、独島は生成された時期が鬱陵島よりもはるかに古いため、地質学の研究にも良い資料となる。
独島は深海から2,000mの高さにそびえ立つ3つの海山構造となっており、海面上に爆発する噴出の過程や島となってからの過程が観察できる世界でも珍しい地質学的事例である。独島の地形も、火山地形、海岸地形、海底地形、風化地形の形態を全て兼ね備えた特異な構造を見せており、景観上においても高い価値を持っている。

 
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