同 二月八日於大坂佛公使旅寓伊賀守殿縫殿頭殿御應接ノ一節
閣老 昨日被申立候朝鮮一件若支那にて取扱居候はゞ手を引可然旨被申候得共支那我と同意ならば力を合せ候不同意或は誤解等有之候はゝ北京迄も使節を遣し支那をも說諭し到底公平に調和爲致候ては如何
公使 支那とて外國を禦候方え力を入候事は萬々無之候朝鮮一條は已初め北京在留佛國ミニストル王城え罷出朝鮮は何レ之所屬に候や云々之旨懸合候處同國は支那に於て相搆(Sic)不申段相答候に付水師提
督事を擧候事に及候乍倂其後又再考して手を入調和を取扱候哉も難計候
閣老 若其後に至り手を入候とも入れず候とも何れとも此方より取扱彼より渡合有之候節は同心合力候て其事整候樣致し候ては如何
公使 支那にて手を入居候はゞ御搆(Sic)無之方と奉存候支那にて取扱候節は都て北京在留佛公使之懸にて私之關り候所に無御座候若支那にて取扱候節者口出しは不仕候且支那は自ら尊大にして御國を東夷抔と今以鄙しめ候風儀ゆへ彼手を入居候處へ彼是御心配被成候ても却て心持を惡敷被成迄にて寸益も有之間敷哉に奉存候乍去彼國若御國之所屬に候はゞ支那の取扱を御斷御引受被成候て宜候
就ては間牒之ものえ御委任伏御授被遣能々偵探致しいまだ支那にても手を不入候はゞ往復等之日間を省き直に御委任状を以彼國を御說諭夫々運被付可然奉存候