○ 起請文前書之事

一 今度拙子一件數度御穿鑿被 仰付、殊更 殿中被召連、達 上聞、拙 子無誤通被聞召分、如前々嶋とも致安堵候樣ニ被仰出、万事御奉公之作法無相違儀、外聞實儀、偏御當代之御高恩は忝奉存候。誠冥加至極家之面目不過之候。如斯之上は、拙子或難申上候得共、竭粉骨之忠節毛頭不奉存哉、全く常付□其志候事。
一 至違 公儀輩者、一切不可申談事。
一 被仰出御法度以下、相背申間舗事。
一 日本·朝鮮通用之儀ニ付、日本之御事を大切ニ奉存知、御爲惡樣ニは毛頭仕間舗候。何事ニよらず朝鮮ニ心ひかれ、日本之御事を存知かえ申候て、御うしろくらき儀いたすましき事。附、日本又朝鮮江何茂御隱密之儀、若承候共、親類·緣者たりといふとも、一言も其沙汰仕間舗事。
一 朝鮮之仕置以下如家業被仰付候、重疊御恩深罷蒙候段、難有忝奉存候。何樣之儀も、被仰出候趣、守其旨、万端速御奉公油斷仕間敷事。
右之御高恩は、子々孫々聊忘却仕間舗候、一言片辭挾僞心無之。

一 右之兩樣之書翰請取之、退出。御執權中其外出頭人衆江御禮ニ罷出。
一 同日晩方土井大炊頭殿ゟ御使者被下、明朝讚岐守殿·大炊頭殿御兩所之內何方江成共心次第ニ可罷出、 公用有之由被仰下。