はじめに
一章 男にとっての慰安所制度
　1. 慰安所制度合法論の陰
　慰安婦は公娼
　女の二分法にあぐらをかいた日本軍の慰安所政策
　戦時下の女たち
　｢登志子｣の場合
　遠賀川に栄えた遊郭
　女に不幸な時代だった
　もう一人の楼主
　2. もう一つの｢慰安婦｣政策―筑豊の産業慰安所
　炭鉱に作られた慰安所
　慰楽に関する施設
　朝鮮人強制連行企業責任
　3. 天皇の軍隊と慰安所制度
　徹底した個の排除
　犯罪多発の対症療法として
　性病対策
　4. 韓国男性の見た ｢慰安婦｣問題
　被害の究明が遅れた背景
　植民地支配の産物としての性奴隷
　韓国水曜デモ
　5. 男にとっての必要悪
　｢悪｣という感覚はなかった
　男の性
　女は処理機関
　6. 証言者を訪ねて
　吉田証言
　証言を追って
　吉田氏を知っていた男
二章 声をあげる女たち
　1. ハイラルの｢慰安婦｣
　金德順さんの場合
　　天皇陛下の命令だ！
　　強姦と殺戮と暴行と
　　人並みの生き方がしたかった
　2. 憲兵と慰安所
　3. ピョンヤンからの叫び
　ピョンヤン国際シンポジウム
　声をあげた一三一名の女たち
　解かれぬ戦後―鄭錦玉さんの場合
　　十五歳で慰安所へ
　　強姦の日々
　解かれぬ戦後―崔奉仙さんの場合
　　十四歳で慰安所へ
　　抵抗して
　　暴行と虐待に晒されて
　　テントの慰安所で
　女たちを襲い続けたトラウマ
　4. 中国に埋もれる朝鮮人 ｢慰安婦｣
　中国東北地方での聞き取りの旅
　在中国朝鮮人の連行
　あなたの恨
　5 ビルマに埋もれる ｢慰安婦｣たち
　 ビルマ·アントールド·ストーリー
　 ビルマの｢慰安婦｣
　 ｢慰安婦｣の殺害
　南方派遣軍総司令部の要請により
　6. オランダ人 ｢慰安婦｣
　リー·コリー·ヴァン·デル·プローグさんの場合
　 逃亡
　 ｢慰安婦｣生活
　 性病
　 兵隊の日
　アンナ·マリア·ドゥ·パイパーさんの場合
　 収容所の悪夢
　 もう一つの記憶
　 戦後のトラウマ
　7. 日本に住む朝鮮人元 ｢慰安婦｣－｢従軍慰安婦｣戦後補償裁判·宋神道さんの場合
　裁判を追って
　謝罪請求裁判
　戦争犯罪と違法性
　戦争犠牲者援護立法
三章 過去をふりかえり明日を考える
　1. 日本軍｢慰安婦｣問題と責任者処罰―戸塚悦朗弁護士に聞く
　戦争責任としての処罰―ファンボ－ベン報告
　日本軍による性的奴隷
　国際刑事法廷の創設を
　｢侵略戦争｣の何を謝罪したのか
　処罰義務の法的必然性
　迅速な解決を―国際的な仲裁裁判を
　2. 乙巳条約 ｢無効論｣を検証する―海野福寿教授に聞く
　乙巳条約とは
　条約無効論
　もう一つの無効論
　3. 歴史のアムネジア(健忘症)を克服する
　被害回復義務としての処罰
　最後の要求
　バタビア裁判
　歴史のアムネジア
　4. チマ·チョゴリ事件を考える
　一つの死
　共生を阻むチマ·チョゴリ事件
　 少女に向かう暴力
　 被害者の低年齢化
　 事件の政治的背景
　 全世代にわたる加害者
　 共生と民族のアイデンティティ
　 変りつつある日本社会の反応
　それでも私はチマ·チョゴリを脱がない―在日朝鮮人の子どもに向かう暴力
　 駅ホームの出來事
　 たび重なる暴力
　 チマ·チョゴリに向かう暴力
　 オモニの不安
　 それでも私はチマ·チョゴリを脱がない
　おわりに