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独島(3) 日本はなぜ国際司法裁判所に行こうと言うのか

日本は独島を強奪した事には目をつぶり、独島を国際司法裁判所[註 009]に提訴したがっている。国際司法裁判所は領有権を判断するに当って、その重要な基準として実効的支配を挙げているが、日本は次の二つの根拠から独島を実効的支配したと主張している。
鬱陵島を朝鮮の領土と認めた徳川幕府の文書(1696)
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一つ目の根拠としては、‘日本が17世紀に鬱陵島近辺を調査する中で鬱陵島を発見し、船舶の寄港地として利用した’という事を挙げている。特に17世紀後半では大谷家や村川家が独島への渡海免許を受け、独島を漁業の場として利用し、1696年日本の幕府が鬱陵島を朝鮮領土として認めていた時点においても、独島は例外であったと主張している。
しかし、この様な主張は的外れのこじつけに過ぎない。日本が‘鬱陵島を実効的に管理した’というのは、朝鮮が住民を本国に帰還させる政策[註 010]を採っていたので、島に住民がいない時に、不法侵入をしたのと同じ事なのである。
朝鮮政府が屈還政策を実施した背景には、高麗末期の度重なる倭冠の略奪行為があった。鬱陵島に人が住むと、観の略奪が決まって起こり、またその近くの江原道まで危うくなる事を恐れ、辺境に住む住民を保護するために、そのような措置を採っていたのである。
刷還政策を記録した太宗実録(1417)
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朝鮮の刷還政策は、それ自体が領有権を主張している行為であり、実効的支配のひとつの形態であった。朝鮮が刷還政策を実施しながらも、定期的に官吏を派遣、巡察させ、治安を維持するなどの統治権を行使してきた事がその端的な証拠である。しかし日本は、朝鮮が実施した刷還政策を領有権の放棄であり、意思表示と実効的支配の断絶と解釈する。
鬱陵島での捜討政策実施の事が書かれている粛宗実録(1697)
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しかし人が住まない無人島だから領土にはならない、と決め付ける事ができないように、刷還政策で人が住まなくなった島も勿論、領土ではないと決め付ける事はできない。実際に朝鮮政府は17世紀、日本人の鬱陵島での出漁と伐木が問題になると、日本側に鬱陵島への渡海禁止を要求し、その確約も取っている。そして鬱陵島捜討政策を実施し、以後2年ごとに捜討官という官吏を鬱陵島へ派遣し、日本人の侵入を監視した。
事実はこうなのに、日本が刷還政策を領土の放棄だと主張する理由は、独島が自国の固有の領土であるという歪曲された主張を合理化するためである。
また、日本は独島への渡海許可を与し、独島を継続的に管理してきたという。しかし渡海免許は国境を通過できる許可書であり、自国の島へ移動するときには必要ないものだ。むしろ渡海許可免許の発給は、当時日本人が鬱陵島と独島を日本の領土として認識していなかったという事実を立証する明白な証拠だ。また、全ての土地が藩主のものであった封建社会で、幕府が大谷や村川のような平民に独島を分け与えたという事は、当時としてはありえない事である。何よりも独島渡海免許は存在すらしていなかったし、鬱陵島への渡海免許もたった一回だけの渡海免許に過ぎなかったにもかかわらず、日本はこれを領有権の主張の根拠としている。
二つ目の実効的な支配の根拠として、日本は1904年日露戦争以降、日帝が強制的占有をしていた間、独島に対して行われた措置を挙げている。
例えば、‘1905年島根県告示第40号で、独島を隠岐島司の所管にし、官有地地籍台帳に記録した事、また島根県知事などの日本の官吏が独島を訪問した事、中井養三郎にアシカ猢を許可し、毎年使用料を国庫が徴収した事、そして漁業の管理規則を改正して、独島周辺でアシカの捕獲以外の漁業を禁止した事など’を挙げている。
1902年、鬱陵島で駐在所を一方的に設置し、活動を開始した日本人警察官(1905)
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しかし独島に対する日本のこのような措置は、全て日露戦争以後の日本の強占期になされていた。当時、日本の侵奪行為は韓半島全域で組織的に行われていたし、独島もまた、その例外ではなかった。それにもかかわらず、日本はこれを独島に対する実効的支配の根拠として主張している。
しかしながらこのような事実は、国際司法裁判所が法的に判断できないばかりか、裁判所が解決できる事案でもない。唯一、日本自らが侵奪の歴史を反省し、正しい歴史認識があってこそ、いがみ合うことなく解決できる問題ではないだろうか。
‘独島問題はただ単なる小さな島の領有権の問題ではなく、日本との関係における歪んだ歴史の清算と、完全な主権確立を象徴する歴史認識の問題である’
- 韓日関係に対する大統領の特別談話·2006·4·25
 
日本の国際司法裁判所付託提議が、政治的攻勢に過ぎないという事は、彼らが他の領土に対して取っている態度を見ても確認できる。日本の敗訴が予想される北方領土[註 011]や、勝訴したとしても特別なメリットのない尖閣諸島[註 012]に対しては、国際司法裁判所への付託を拒否している。しかしなぜか独島に対しては、裁判所への付託を主張している。日本がこのような態度を取っている理由は、独島侵奪の歴史を隠蔽し、日本側の主張を宣伝する一方、韓国が独島を実効的に支配しているため、敗訴してもなんら失うものはないからである。

 
[註 009]
1945年国際連合(UN)の創設と共に設立された、国際連合の主要機関の中のひとつ。英文略称はICJ(International Court of Justice)であり、オランダのハ一グに本部がある。国際法に従い、国家間の紛争を解決する役割を持つ。強制的な管轄権はなく、一定の例外を除いて、一方の当事者の請求だけでは、裁判をする義務はない。
[註 010]
辺境に住む住民を保護するために、住民を他の安全な地域に移住させる政策。つまり空島政策である。刷還政策は辺境の住民の安全、または外部からの侵略に利用される可能性を排除する目的で、国防上の必要から、鬱陵島、巨済島などの島嶼で実施された。
[註 011]
北北海道の東北側のクリル列島の下端に位置。択捉·国後·歯舞·色丹など総面積5,000㎢の4つの島嶼。日本とロシアの領土紛争の対象となっていて、現在ロシアが実質的に占有している。
[註 012]
中国から東に420㎞、台湾の東北200㎞、沖縄から南西に300㎞の地点に位置していて、釣魚島など5つの島と若干の岩礁から成り立っている総面積およそ6.3㎢の無人島で、日本と中国の領土紛争の対象となっている。現在、日本が実質的に占有している。
[註 009] 国際司法裁判所
1945年国際連合(UN)の創設と共に設立された、国際連合の主要機関の中のひとつ。英文略称はICJ(International Court of Justice)であり、オランダのハ一グに本部がある。国際法に従い、国家間の紛争を解決する役割を持つ。強制的な管轄権はなく、一定の例外を除いて、一方の当事者の請求だけでは、裁判をする義務はない。
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[註 010] 刷還政策(空島政策)
辺境に住む住民を保護するために、住民を他の安全な地域に移住させる政策。つまり空島政策である。刷還政策は辺境の住民の安全、または外部からの侵略に利用される可能性を排除する目的で、国防上の必要から、鬱陵島、巨済島などの島嶼で実施された。
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[註 011] 北方領土
北北海道の東北側のクリル列島の下端に位置。択捉·国後·歯舞·色丹など総面積5,000㎢の4つの島嶼。日本とロシアの領土紛争の対象となっていて、現在ロシアが実質的に占有している。
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[註 012] 尖閣諸島
中国から東に420㎞、台湾の東北200㎞、沖縄から南西に300㎞の地点に位置していて、釣魚島など5つの島と若干の岩礁から成り立っている総面積およそ6.3㎢の無人島で、日本と中国の領土紛争の対象となっている。現在、日本が実質的に占有している。
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