• 高句麗と渤海
  • 徳興里壁画古墳
騎馬人物
Title騎馬人物
間道東壁に描かれた墓主夫妻出行図の騎馬人物01
zoom

間道東壁の上段に描かれた墓主夫妻出行図のうち、騎馬人物の詳細図である。全体的に馬と人物の比例が合っておらず、輪郭線と単調な色で簡略に処理されている。この騎馬人物は貴婦人の行列を護衛する武士で、その服装を見てみると、乗馬に便利な幅の狭いパジ(ズボンに似た下衣、窮袴)を着用し、頭には頭巾(古代の帽子の一種で、布地で頭全体を覆い後方で結んだ)をかぶっている。頭巾は主に高句麗時代に身分の低い者や侍者が使用した帽子だったが、貴族階級も野外活動や狩りに出る際には活動性に優れた頭巾を着用した。上衣はチョゴリを着て腰帯を巻き、特に襟、袖、裾に襈(鶴や丹頂鶴の翼の先や首の部分の黒い羽毛を模倣した衣服の様式で、シベリア・シャーマニズムの影響と思われる)をあてている。
馬は人物の大きさに比べて非常に小さい。当時、高句麗で使われた馬は、中央アジア産の足が長く体格の大きい汗血馬ではなく、モンゴルの草原一帯で育った足の短いポニーの一種だった。しかし、そうだとしても画面に見えている人物と馬の比例はあまりにも非現実的である。特に足の部分が体格に比べて細く弱そうな姿を示しており、そこに黒のブーツを履いたように処理された姿は滑稽ですらある。
この絵は、絵画的には入念に描かれたものとは言えない。墓室の壁画は限られた時間内に絵を完成させなければならないため、複数の画工が同時に作業を進める。そして、これらの画工たちの間には、もちろん絵の水準において厳然たる実力の差が存在する。より優れた腕を持つ画工は、墓主の肖像画や出行図のような重要な素材を描くため、それらは他の絵に比べてより丁寧に製作される。したがって、この絵は実力の劣る画工の作品であることがわかる。

페이지 상단으로 이동하기