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天井図 01
Title天井図 01
天井図 01
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江西大墓の天井に描かれた壁画である。江西大墓の天井の築造方式は、三角形の花崗岩の板石を墓室の四隅の上に何回か交互に積み上げながら段々と天井を狭めていく方式で築造されている。このような天井の築造方式を三角隅持送式もしくは抹角藻井式天井構造と呼ぶ。画面に見えている天井は、墓室の中央から真上を見上げた正面の様子である。最も外側の縁にある長方形の花崗岩の板石は最初の支石で、三角形ではなく平行に長く持ち送られているため平行持送式と呼ばれる。1層目の平行持ち送りの内側の正方形を作っている4つの三角形の板石は、平行持ち送りの四隅の上に積み上げた三角隅持ち送りで、2層目で支えているため2層三角隅持ち送りともいう。その内側にひし形を形成している4つの三角形模様の板石は、2層目の三角隅持ち送りの四隅にさらに蓋をするように積み上げたもので3層三角隅持ち送りという。1度の平行持ち送りと2度にわたる三角隅持ち送りの工程によって天井は高くなり、また狭まった。そして最後に、中央の四角形の石は天井を締め切る天井石で、磨き上げた四角形の板石で墓室の上部を封じた。このような築造方式は古代メソポタミアから起こってギリシャで流行し、西アジアと中央アジアを経て高句麗に伝えられた建築様式である。中国の西域にある仏教石窟においてもこのような三角隅持送方式の天井構造が発見されている。したがって、高句麗と中国西域との文化交流をうかがうことができる貴重な資料といえる。
三角隅持送方式で築造された天井は、墓室の壁の上に直ぐに石材を積んで天井を覆ってしまう方式よりも立体的であり、天井の空間が高くなることから、丸い空を見ているような感じを与える。この空間は高句麗人が死後の天空世界を壁画で表現するのにとても適していた。そこで高句麗人は穹窿形や持送方式を利用して古墳の天井を高く築造し、その空間に彼らが念願する死後の天空世界を思う存分、効果的に描き出すことができた。
江西大墓は高句麗後期の代表的な四神図壁画である。したがって、天井に描かれた多くの壁画は、そのほとんどが道教における天人、仙人、縁起のいい動物(瑞獣)、華麗な花文様などで、これらは神秘的で幻想的な神仙世界を表す素材である。また天上を象徴するさまざまな星座も表現されている。画面に見えている壁画は、天井を正面から見上げた様子であるため、支石の底の面に描かれた壁画の内容である。瑞獣と美しい花の文様で飾られた、幻想的ながらも美しい天空世界の様子を描き出している。壁画からは美しい天上の音楽が今にも響きわたるかのように、とても旋律的な図柄で美しく描かれている。天井の中央に躍動的な姿勢で描かれた動物は黄竜で、墓室の四方の壁に描かれた四神とともに道教の五行信仰を完璧に現している。

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