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日本の明治産業遺産

歪曲される現場と隠蔽された真実

日本の戦犯企業のユネスコ世界遺産登録に対する被害者の声明
私たちの血と汗と涙を忘れないでください!

人類の貴重な文化資産を世界遺産に選定し、保護するために努力しておられる皆さんに敬意を表します。私たちは、日本の帝国主義侵略のために植民地朝鮮から日本に強制的に動員され、奴隷労働を強要された被害者たちです。10代から20代前半の若い年齢で、どこに連れて行くのかも、いつ家に帰れるのかもわからないまま、連れて行かれました。遠い異国の地で過酷な労働と飢えに苦しみ、毎晩故郷を思い、涙を流さなければなりませんでした。70年が過ぎた今も、その当時の苦労の日々を思うと、昨日起きたことのように胸が痛みます。
今、日本政府が端島炭鉱、三菱長崎造船所、八幡製鉄所などをユネスコの世界文化遺産に登録しようとしていることについて、私たちは黙っていることができません。これらの企業は、侵略戦争を支えるために植民地朝鮮から私たちを強制連行し、奴隷のように強制労働をさせたにもかかわらず、今に至るまで一言の謝罪もせず、一切の補償も拒否しています。私たちは15年も前からこれらの企業を相手に裁判をしています。しかし、彼らは、反省どころか、あらゆる言い訳をして裁判を遅延させ、私たちが死ぬことを待ち望んでいます。これらの戦犯企業は産業革命を成し遂げた企業として賞賛されるのではなく、その戦争犯罪と人権侵害について世界から指弾されるべきなのです。
日本政府も自らの戦争犯罪と人権侵害を隠すことをねらい、強制労働の事実を示すことなく、明治期だけに区切って産業遺産として登録しようとしています。けれども、強制労働を強いられた私たちはそのような歴史を隠そうとする意図に強い怒りを抱いています。強制動員被害者の血と汗と涙を無視したまま、産業革命遺産として美化ばかりすることは許されないことです。
また、日本政府は、世界の批判をみることもなく、自分たちが犯した侵略戦争の歴史を歪曲し、再度「戦争できる国」へと進んでいます。世界遺産を利用して過去の過ちを隠そうとしているのではないかと疑わざるをえません。戦争が終わって70年が過ぎても、まだ解決されていない多くの問題が残っているということを理解してください。まさに私たち自身がその歴史を証言しています。今からでも日本政府と戦犯企業は過去の過ちを反省し、私たちに謝罪と補償をすべきなのです。
私たちは、戦犯企業の施設を世界文化遺産としてはならないと切に訴えます。私たちの血と汗と涙を忘れないでください。

2015年6月12日
新日鉄住金と三菱重工業勤労挺身隊の強制動員被害者一同
* 新日鉄住金強制動員損害賠償訴訟原告
1次訴訟(2005年2月28日、提訴)
イ・チュンシク/李春植
キム・ギュス/金圭洙
2次訴訟(2013年3月11日、提訴)
クァク・ヘギョン/郭海耕
キム・グァンチョル/金光哲
イ・サンジュ/李相周
イ・ユンテ/李閏台
チャン・ハクジュン/張學俊
チュ・ソクポン/朱錫奉
チェ・ヨンベ/崔永培
* 三菱勤労挺身隊強制動員損害賠償訴訟原告
1次訴訟(2014年2月27日、提訴)
ヤン・グムドク/梁錦徳
イ・ドンリョン/李東連
パク・ヘオク/朴海玉
キム・ソンジュ/金性珠
キム・ジュンゴン/金中坤
2次訴訟(2013年7月1日、提訴)
キム・ジェリム/金在林
オ・チョルソク/吳哲錫
ヤン・ヨンス/梁榮洙
シム・ソネ/沈善愛
〔翻訳 民族問題研究所、校訂 強制動員真相究明ネットワーク〕

 
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