徳興里壁画古墳の前室南壁の天井に描かれた、雲気文の詳細図である。一般に壁画古墳における天井は天上世界を象徴しているため、日月星辰(太陽、月、星座)と天空の世界に住む仙人や瑞獣(縁起のいい動物)などが描かれる。雲もやはり天空に浮かぶ物体であるため、古墳壁画の天井によく登場する。画面に見えている雲気文は雲を簡略に表現した図柄で、五彩の華やかな色合いで彩られ、縁起のいい空間の雰囲気を醸し出している。