• 高句麗と渤海
  • 水山里壁画古墳
玄室_西壁_出行図(下段)_詳細_御者と馬
Title玄室_西壁_出行図(下段)_詳細_御者と馬
玄室_西壁_出行図(下段)_詳細_御者と馬
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水山里壁画古墳玄室の西壁下段に描かれた出行図の中の馬と御者の詳細図である。出行の支度を終えた馬は、調子に乗って勢いよく走り、この馬を静めるために手綱をしっかりと締めている御者の緊張した瞬間が、躍動感あふれる筆力で捕らえられている。
御者は帽子を着用しておらず、髷のない状態の少年であり、チョゴリと筒の狭いパジ(窮袴)を身に纏っている。チョゴリはめくれないように腰に帯を締めて固定し、襟ぐり、袖口、裾(裾周り)に襈(襈:ツルあるいはタンチョウの翼端や喉にある黒い羽を模した衣服形式で、シベリアシャーマニズムの影響と見られる)をつけている。襈は、擦り減りやすい服の端部分に布を重ねることで耐久性を持たせたものだが、色を変えることによって装飾的な効果も高めていた。このように襟がついたチョゴリを高句麗の人々は老若男女や身分の貴賎を問わず、すべての人が着用していた。
墓主が出行時に乗っていく赤褐色の壮健な馬は力があふれて見える。馬の背中には鞍が乗っている。この鞍は前後の鞍橋(橋の形の鞍)が直角に立てられており、座ると狭く不快感を与えるが、武士の体を馬の弾性から保護して上下振動を少なくし、また標的を射合わせるために馬上で腰を回すときにも下半身をしっかりと保つ重要な役割を果たす。今日の鞍橋はこれとは異なり、低く平面的で、快適に乗ることができるように考案されている。戦闘に長けていた高句麗人の尚武精神を垣間見ることができる貴重な絵画資料である。

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