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日本の明治産業遺産

歪曲される現場と隠蔽された真実

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日本政府が端島を「九州・山口の近代化産業遺産群」としてユネスコの世界遺産に登録しようという動きに対して、対日抗争期強制動員被害調査及び国外強制動員犠牲者等支援委員会が端島炭鉱の朝鮮人の被害実態の調査を行いました。
端島は「日本最古の鉄筋コンクリートが建てられた所」、「日本の近代化を支えた炭鉱」として注目された場所です。しかし端島炭鉱には多くの朝鮮人たちが強制動員され、酷使された歴史があります。すでに1980年代に、長崎市の市民団体「長崎在日朝鮮人の人権を守る会」が発見し、公開した朝鮮人火葬記録により、朝鮮人の強制動員の被害実態が明らかにされました。強制動員の被害のうち「死亡」は最も悲しい被害形態といえます。この端島の朝鮮人死亡記録の調査は、強制動員された朝鮮人が死に至った背景と端島の強制動員の被害の実態を明らかにするために実施されました。
端島炭鉱は開発初期から労働環境が劣悪であることで知られており、「監獄島」と呼ばれていました。海底炭鉱である端島炭鉱は、陸地に比べて採掘条件が非常に悪く、ガス爆発事故が発生しやすい所でした。1937年の日中戦争以降、端島に動員される朝鮮人の数は年々急増し、日本の敗戦直前には出炭量は最大になりました。朝鮮人労働者の多くは主として坑内の危険な採炭現場に投入されました。
この調査報告書では、端島での死亡者の火葬記録を統計にまとめ、朝鮮人がどのような環境で死に至ったのかを分析しました。朝鮮人死亡者は1942年から1944年の間に大幅に増加しました。その原因は、強制動員の規模の拡大、炭鉱労働に慣れていない朝鮮人の坑内投入比率の増加、長時間労働の強要、劣悪な採炭現場への配置などとみられます。
死亡原因の分析では、病気によって死亡した朝鮮人は栄養失調、非衛生な生活環境と劣悪な労働環境にその背景があります。外傷による死亡者と変死者の多くは炭鉱災害で死亡したとみられますが、過酷な仕打ちによって死に至ったものもあるとみられます。強制動員された朝鮮人が端島で死亡に至った第一の原因は「強制動員」であり、第二の原因は「劣悪な労働環境」であるといえます。
この調査報告書には、端島の地獄のような労働環境についての生存者の証言が載っています。三菱鉱業の端島炭鉱の労働実態を把握するためにも重要な調査報告書です。

死亡記録を通じて見る端島炭鉱の強制動員朝鮮人死亡者の被害実態基礎調査 [日帝強制動員被害者支援財団]  

 
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