• 高句麗と渤海
  • 徳興里壁画古墳
出行図
Title出行図
前室北壁の出行図の人物 01
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前室北壁の出行図の人物 02
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前室北壁の出行図の人物 03
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徳興里壁画古墳の前室北壁の入口右側に描かれた、墓主出行の最後の行列の様子である。東壁と南壁に描かれた出行図に比べて毀損が激しく、残存する壁画からは、どのような素材が描かれているかだけがやっと確認できる程度である。出行の隊列は上下4列で構成されている。墓主と墓主夫人の乗った車は東壁から動いており、画面に見えている3台の車は墓主夫人の車に付き従っている。車の形からして上段に描かれた2台には女性が、下段に描かれた車には男性が乗っているものと思われる。東壁の車まで合わせると全部で6台の車が登場するが、このように車が一度に6台も登場する出行図は、他の高句麗の古墳壁画では見つかっていない。車の後ろには騎馬武士と侍者たちが付き従っている。
行列の全体は互いに重ならないように表現され、行列の各要素が一目瞭然に確認できる。墓主出行場面は、墓主の権威を表わす重要な素材であり、初・中期の高句麗古墳壁画によく登場している。そのうち、徳興里古墳壁画の出行図は、多くの人物が登場する規模の大きな方に属するものではないが、各構成要素の特徴がよく表れているため、高句麗出行図の全貌を把握することができる視覚資料としての史料的価値が高い。

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