茂等着韓後の景況は追々上申候通り過る卄四日訓噵入館彼政府の命意を以東萊府使面接の運に議定候上尙宴廳の設け等有之來る四月一日迄延期の儀懇請に付是亦了諾因ては通詞等より本日待遇の儀注(Sic.)豫しめ申聞せ其期旣に明日に迫り候處不圖訓噵上京の旨書取を以申出前約に反し不信の至に付ては兼約の通り直に東萊へ前往するは理勢の不可已場に候へとも偖彼の內情を窺察するに敢て拒斥の意も不相見唯剙例の歸する所を疑ひ候より兎角以て熟議に涉る能はす且服飾の如き固より照會を經候儀に候へとも府使等大いに彼政府に對し忌諱あるに似たり殊に此一款は我國制に係る所苟も輕々論及すへからさるのみならす訓噵上京の儀迚も再々違約の末今更陳述の辭柄も無之より終に不得已直に此擧に及ひ候事と被存候就ては兼約ありといへとも却て入府の事を言はす別紙口陳書を別差に付し我も亦自ら處する所ありといふの勢を含んて對峙いたし候然に旣に訓噵上京の上は彼か國議を盡し早晩其決答申出へく候へとも彼の狡獰なる萬々破和の意にあらさるも瞹昧遲延我か困屈の機を待て自然の意に回從せしめんとする是彼か通習此時にあたり若し我か氣鋒を弛むあらは彼か專使を誘ひ出す等容易からさる儀に有之然らは他日訓噵回答の一擧は此使事成否の分界にして最大切の時機に有之就ては此事由を親しく上奏の爲副官廣津弘信上京いたし候廟議確立被下益信憑を仰き且聲援を垂玉はん事冀望の至に不堪候訓噵の來期は彼かいふ所の如くならは必らす四月一杯には再ひ下來可致に付廣津には何分速に再渡被仰付候樣懇願仕候也

四月一日
外務少丞 森山茂
外務卿 寺島閣下

尙々昨秋彼より款を納れ來り候後民宰相自殺大院君の改立舊訓噵及ひ崔在守等の形行聊變異は同氏より親しく可申上候